University of Oxford 医学部留学 Part 11

イギリスには、General Practitioner制度があります。

General Practitioner(略称GP)は一般開業医であり、病気になるとGPが診察し、専門的な治療が必要とGPが判断すると総合病院などに紹介する制度です。
英国の国民医療制度(NHS)では医療費は無料であるが、最寄りのGPに登録し、救急などを除いて、まずはGPの診察を受けることが義務付けられています。

僕が研修しているJohn Radcliffe病院のEmergency Assesment Unit(EAU)で診る患者さんは、半分が救急からの患者さん、残り半分がGPの紹介で来た患者さんです。
EAUで患者さんの問診前にカルテを読みながら、GPがどのような判断でこの患者さんを紹介してきたのか、日々興味深く感じていました。
今回、オックスフォード大学医学部の紹介でオックスフォードの中心部にあるクリニックでGPをされているDavid McCartney先生の診察を見学することができました。

およそ2時間の見学でたくさんの患者さんの診察を見ることができました。受診する患者さんの疾患は、軽度の精神疾患から外傷、 さらにCOPDや慢性腎不全などの慢性疾患のケアなど、多岐にわたっており、それをすべて一人でこなすGPの仕事振りには関心しました。

McCartney先生に、日本にはGP制度がなく、どの医療機関も受診できるフリーアクセス制度であること。しかしそれに伴い総合病院の専門外来の受診患者数が多すぎること、コンビニ受診や検査の増加などの医療費のムダもあることを話し、GPの仕事において一番大事なことは何なのかを聞いてみました。

GPの役割で一番大事なのは、いかに患者さんと長期間の信頼関係を作ることだということでした。
礼を言ってGPクリニックを辞し、自分の今後の進路について思いを馳せながら、オックスフォードの街を自転車で走りました。まだオックスフォードは肌寒いけど、春はすぐそこまで来ているようです。

井上カネアキ