University of Oxford 医学部留学 Part 12

僕のオックスフォード大学医学部での最後の日が終わりました。

1ヶ月間、このEAU(Emergency Assessment Unit)の門をくぐり、”Take”、すなわち患者さんの問診、身体診察を行い、鑑別診断を指導医にプレゼンすることを繰り返しました。
最初の2週間は、オックスフォード大の4年生とペアを組んで、後半の2週間は、一人でこなすようになりました。

多種多様な疾患を持った患者さんがJohn Radcliffe病院に来ます。EAUに新たな患者さんが来院したことを指導医に告げられると、すぐに救急やGPからのレターを確認して聞くべきことの検討をつけ、行うべき身体診察を確認し、患者さんのベッドに向かいます。
患者さんに僕が医学生であり、問診、身体診察をさせてもらうことを了承してもらい(拒否されたことは一度もありませんでした)、患者さんによっては英語の聞き取りに苦労しながらも、問診、身体診察をさせてもらいます。
指導医に結果と鑑別診断を報告したあと、指導医と一緒に患者さんの所に戻り、一緒に診断をします。僕が聞き取れなかった肺雑音や、見落とした皮膚の発疹を指導医が発見したり、自分が考えつかなった、質問により患者さんの疾患について劇的に見通しがはっきりすることがあり、とても勉強になります。僕が書いたカルテ(NHS clerking proforma)は、指導医のチェックの後、正式なカルテとして後に残るので、気が抜けません。

今日は僕の最後のTakeの日、午後遅く受診された患者さんを待合室まで迎えに行き、精魂込めて問診、身体診察を行い、頭を振り絞って鑑別を考えました。
指導医との診断のあと、少し安心したお顔でEAUを後にされる患者さんを笑顔で見送りながら、この1ヶ月、悪戦苦闘しながら頑張ったことで、少しでも自分に自信がついたことを感じていました。

これまで1ヶ月間、異国で慣れない僕に手をとってたくさんのことを教えてくれたAcute General MedicineのFirm C3の皆様方、本当にありがとうございました。力不足をわかっていながらも、患者さんを割り当ててくれと言う僕の言うことを聞いてくれた指導医の先生達、鑑別を聞きながら的確なアドバイスを常に与えてくれた先生達、そして僕を足手まといに思うどころか、常に親切にTakeや採血のやり方を教えてくれたFIrm C3のオックスフォード生達、感謝してもしきれません。
医学部の選択実習担当のCarolyn Cookさんには、オックスフォードでの生活の様々なことまで教えていただいて本当にお世話になりました。
ここで得た経験は、今後の自分の医師としてのキャリアにとって重要な一歩になると確信しています。オックスフォードで僕にかかわった全ての人に感謝申し上げます。

井上カネアキ